須田幸英税理士事務所 事務所通信 平成23年4月号掲載
東日本大震災
 
 3月11日以来、連日地震のニュースが続いています。今回私はリーダーのあり方について深く考えさせられました。まだ収束しない東京電力の原子力発電所の問題です。
 トップである社長がなぜ最初に謝罪しなかったのでしょうか。ニュースによれば地震直後に体調を崩していたとのことですが、まず謝罪し、安全に廃炉とするために全力を尽くすと言うことをハッキリと、表明すべきではなかったのではないでしょうか。

 そこで思い出したのが、毎回掲載している稲盛和夫京セラ社長(当時)が従業員の交通事故の際にとった行動です。従業員が、夜本社に戻る途中、酔って国道を横断している人をひいてしまい即死させてしまったという事故です。
 概略を紹介します。

 警察署から電話があり、すぐに駆けつけるとその従業員は署内で半狂乱状態にあり、そのまま放っておくと自殺でもしかねない状態です。
 それから近所の夜行便のトラック用の食堂に連れて行って、「まあ座れ」といい本人は真っ青になって震えていますから何を食うかと聞くんじゃなしに、ライスカレーをとって、「とにかく食え」とその自殺しかねないという局面を変えようと必死になった。
翌朝、遺族のところへお詫びに行く。本人は発狂しそうになってますから、「心配するな、俺が全部お詫びをするんで、俺の尻について頭を下げればいい」、と。
 遺族や親戚の方がおられて、「どないしてくれるんや!」と気色ばむ。
 亡くなったのは一家の大黒柱で小さなお子さんもいた。私は本人になりかわって一生懸命お詫びしますが、罵倒されて、あまりにもひどいことを言われますから、私も震えながら相手をにらみつけもしました。遺族の方には申し訳ないと思いますが、この子(従業員)も大事なんだとがんばりもしました。

 今回の地震のケースと若干背景が違いますが、トップ(社長)が前面に出て強い意志を示すという意味では同じなのではないでしょうか。
 社長という肩書きはそのためについていると思いますがいかがでしょうか。
 
                                                 所長 須田幸英
 事務所通信4月号掲載
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